お題20 かわいい嘘

 

ミロさん オールスターキャスト



約3時間

コラボ 是游さん ジャイロ×ジョニィ



5/4 7:30〜10:00



なごハチさん ジャイロ×ジョニィ

好きも嫌いも、愛してるも憎らしいも、ホントは全部、一緒のコトバ。
だから僕は彼に言う。

「君の事なんて、本当は何とも思ってないんだよ」

コレっぽっちもね、と自分の右手の、親指と人差し指で軽い円を作って笑いながら、彼に良く見える様にその手を掲げる。
その間は、ほんの数ミリと空いていない。

しかしぼくが話しかけた当人からは、突然の物言いに怪訝そうに眉を軽くひそめるだけで、特に芳しい反応は得られなかった。
その表情には、当惑と呆れが絶妙に混在している。
その反応も当然だ。何故なら、ぼくらはこの関係をカテゴリに分類したら「恋人同士」になるような間柄で。
そもそも、つい数分前までぼくは彼の腕の中に居て、それこそ恋人らしくキスの一つや二つもした後で。
それこそ恋人らしく、お互いの肌の感触を覚えてしまっている程の仲でもある。

そんな中で何の前触れも無く突然、ぼくはさっきの台詞を言い出した。

ジャイロはといえば、突然何を言ってんだと、しかし声には出さずに態度で語っていた。
そんな彼に、ぼくは拗ねた様な声で再び話しかける。
「ねぇ、ジャイロ聞いてる?聞いてるんなら、返事くらいしてよね。ぼくは返事の無いヌイグルミに話しかけるような人間じゃないんだからさ」
「あーあー、聞いてるってよ〜。で、一体何だってんだよ」
ジャイロは、半ば投げやり気味といった調子の返事を返す。しかしそんな彼の様子を、ぼくは意にも介さずに自分の中で用意されていた台詞を口に出す。

「だって、君に好きだとか愛してるとか、そんな当たり前の事を言ったってつまらないだろう?」
つまらなくて結構だ、とジャイロの目は口よりも饒舌に語っている。
「だからと言って、嫌いだの憎らしいだの言ったって、捻りがないじゃあないか」
無くて結構だ、とも言っているようだ。
しかし、そんな目線は意に介さず、ぼくは言葉を出し続ける。

「そもそも、好きも嫌いも、愛してるも憎らしいも、大元は全部一緒じゃあないかと思うんだよ」
そこにあるのは、全ては「執着」の感情だと、どこぞの偉い大学教授の講釈の様に解説をする。
「それで、さっきの台詞ってワケか?」

どう?とジャイロに尋ねるも、ジャイロはというともう、顔の殆どは「呆れ」で構成されているように見えた。

「……つーか、お前もっともらしく言ってるけどよぉ〜。単に俺をからかおうとしただけだろう」
「あ、バレた?」
意外と鋭いねー、と悪びれも無くぼくは最初から変わらない笑顔で言う。
対照的にジャイロは、ウンザリしたような表情で息を吐き出す。
「流石に、そう何度もお前の手にゃあ乗らないっつーの」
つまり、何度かは乗った訳だけど。
「ちぇっ、最近のジャイロはつまらないね」
つまらなくて結構だ、と相変わらず雄弁な目が語っている。



だけど、言った言葉の全てが嘘じゃあないけどね。

好きも嫌いも、愛してるも憎らしいも、どんなコトバも君に言うのだったら全てが一緒なのは本当なんだよ。
君にいうのだったら、それは全てが愛の言葉。
だから僕は、どんな言葉も笑って言うのさ。
その事を、彼が知るも知らないも、信じるも信じないもぼくの知った事じゃあ無いけどね。

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走行1時間半。

コラボ 是游さん ジャイロ×ジョニィ



5/6 16:00〜18:50



アニスさん ジャイロ+ジョニィ

  第四ステージが始まったばかりの、とある日。その日、道の脇で昼食を食べていると、少し離れた茂みがガサガサと音を立てた。ジャイロは、ウサギとか野ネズミみたいな小動物かな、と言った。こちらへ来る気配がなかったので、僕は特に気にしなかった。

  昼食を食べ終わると、ジャイロがとても真面目な顔をして、僕の両肩を掴み、真摯な眼差しで見つめてきた。どのぐらい真剣かって、その人の人生を左右する重大な事柄を告げる時ぐらいの迫力だ。が、おそらくジャイロの口から出てくる言葉は、どうせ可愛い物に関することだろう。そんなふうに思ったけれども、でも別の事柄だったらと、僕も少しばかり緊張してジャイロを見返していた。

  「話をさせたいんだが、協力してくれるか?」
  ジャイロはそう言ったが、主語がないから誰に話をさせたいのか、わからない。
  話はそれるが、もともとジャイロは話していると、ほとんど主語を言わない。それでも動詞の活用から一人称単数はわかるけれども、二人称は主語がないと、二人称の話をしているのか一人称複数の話をしているかわからない。本人曰く、ジャイロの母国語と英語の違いらしい。ジャイロの母国語は主語を言わなくても、動詞の活用で主語を表せるため、ついつい省いてしまうんだそうだ。

  僕ら以外には、誰もいないし、他につるんでいる参加者もいない。
  「誰に?」
  「おまえの同意が必要なんだよ…。」
  ジャイロはそう言うと、うっとりした眼差しで僕の左腕を取って撫で始めた。ああやっぱりね、と思った瞬間、茂みから光が放たれたかと思うと、人間が二人走り去っていった。その姿はどうも、新聞記者のようだった。
  「あんだ?」
  「トリビューン紙の記者じゃあないの?」
  「何やってんだ、こんな所で?」
  「さあ……?」
  結局その後、ジャイロが “チュミ” と鳴くモノに自分のクマのぬいぐるみと話をさせたがっていたことがわかって、レース専念を理由に速攻却下させてもらった。そんなことしてる時間が、何処にあるんだ。

  後日。これまた農道の脇で昼食を取っていると、地元の人とすれ違った。彼らは僕らを知っているようで、「あ、あの人達だ!」なんて言いながら、去っていった。俺達も有名になったもんだな、とジャイロはご機嫌だったのだが。
  凄い勢いで戻ってきたさっきの地元の人が、僕らが載っていると言って新聞を見せてくれた。どんな記事になっているのか興味津々で、ジャイロの広げた新聞を横から覗いてみると。

  見開き四分の一がこのレースの記事で、ジャイロが僕の左腕を撫でている写真がその半分を占領していた。見出しは、「レース道中で育まれた絆は、友情を超える!?」と書いてあった。ジャイロの機嫌はまだ普通で、記事を読めと僕に催促した。そうか、ジャイロは話せるけど英語は読めないのか。
  地元の人は、その新聞は記念にあげると言って、立ち去った。ちょっとまて、この記事を僕が朗読するのか? 見出しだけで嫌な予感が十分にしたんだけど、記事を読んでみるとやっぱり誤解されている。でも最後に、「もしもこれが事実でなかった場合は、かわいい嘘だと思って許してください」なんて書いてある。

  それでいいのか、新聞記者。それともこれは、レースを盛り上げようとするスティールの差し金か。でも確かにこの写真だけ見ると、誤解されても仕方ないような気がしてくる。
  そんなことを思っていると、ジャイロが不思議そうな顔をして「どーした?」と首をかしげた。言えるか。こんなこと。でも、この理不尽さを分かち合えるのは、ジャイロしかいない。僕はお望み通り、朗読した。てっきり激怒すると思ったのに、ジャイロは意外にも爆笑し始めた。
  「にょほはほははははは、にょほほほほほ、にょほ、にょほほほ」
  ジャイロの笑い声を聞いていたら、僕までおかしくなってきて笑い出さずにはいられなかった。ジャイロの笑いが収まった時に、何故怒らないのか聞いてみると。「絶対に起こりえない、つまりレースの宣伝のためのでっち上げ以外の何物でもない」というお答えをいただいた。なるほどジャイロは、信心深くおわしますな。
  しかし、「こんなことをかわいい嘘で誤魔化せると思ったら、大間違いだ、記事にした奴見つけたらただじゃあおかねえ」と言った時のジャイロは、顔は笑っていたが眼は笑っていなかった。

 所要時間:1時間

コラボ ふーみむさん ジャイロ+ジョニィ



5/6 23:40〜24:10



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