「はっ!!」
ホットパンツが気付いたのは、果樹園の中の、すっかり壊れてしまった小さな家の前だった。そこで一人横たわって気絶していたのだ。
(あれから、どうなったんだろう)
リンゴォの攻撃でジョニィが頭を撃たれ、自分が胸を撃たれたのは覚えている。そこからどうなったのか、辺りを見回すとジャイロとジョニィの姿は無い。そして家の中でリンゴォが倒れている。
(そうか、きっとジャイロが倒したのだろう。)
自分につっかかり、やいのやいの言っていたジャイロを、口先だけの男では無かったのだとホットパンツは少し見直した。
ジョニィはきっと、自分のスプレーを使って治療されたハズだ。ホットパンツは、自分のスプレーを無断で使われた事に少しイヤな気がしたが、しょうがないから許してやろうと思った。
(オレの傷も治療してから去って行ったことだし、な…)
そう考え、気絶したままの自分を起こしもせず放置して行った事も許してやろうと思った。
(ま、最初からジャイロの野郎は二人で旅をしたがってたようだからな…オレが一緒に行くのをイヤがっていた。)
色々寛大な気持ちで、ホットパンツは体の様子を確かめながら愛馬に近づいて行った。気付くと、カバンが開いている。
「?!」
中を見ると…サンドイッチだけが綺麗に無くなっていた。
「………あ、の、野郎っ!!」
別にサンドイッチをあげるのは惜しくないし、欲しけりゃやる。しかし、黙って盗まれるとめちゃくちゃ腹が立つ。
「あいつーーーっ!!!絶対ジャイロの仕業だ!!あいつは人の食べ物を盗む教育を受けて育ったのか?!!!」
ホットパンツはジャイロの仕業だと決め付けた。実際そうだ。
怒りの炎が激しく胸を焦がし、やっぱり最初に会ったときに縛り首にしてやればよかった!と思えてならない。いや、それは今度会った時でも遅くない、そう思いなおした。
「今度会った時も、最初に言うことは決まっている。“ごきげんよう”だ。」
激怒しながらぶつぶつ言っている主を、愛馬ゲッツ・アップだけが物言いたげな瞳で見つめていた。
5/3 1:40-1:56
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